近い将来、『M&A(企業買収)が当たり前に行われる時代』がやってきます。
それでは、スモールM&Aについてご説明しましょう。
M&Aとは?
2社以上の企業による合併や、企業買収のことを言います。
以前までは、大手企業を中心に行われていたのですが、これからは中小企業を中心とした、比較的規模の小さいスモールM&Aというものが活発になってくるだろう、と言われております。
M&A自体は、相手先企業さえいれば割と簡単に行うことが出来るのですが、これまでの問題点としては、
①売り手側としても買い手側としても中々相手先が見つからない。
②売却にかかるコスト(マッチング費用や手続き報酬)が高額(最低1,000万)
ということもあり、さかんには行われてきませんでした。
それが、ここ最近になって活発になってきた理由の一つが、『TRANBI(トランビ)』という、M&Aのマッチングサイトの登場によるものです。
TRANBI(トランビ)とは?
事業承継、M&Aの国内最大級のマッチングサイトのこと。
最大の特徴としては、『売り手側が手数料無料で利用できる』という点です。
※買い手側は譲渡代金の3%を手数料として支払う必要があります。
現在は、『圧倒的な売り手市場』で、1件の売りに対して平均で10件の問い合わせがくるというような状況です。
それでは、成約事例をみていきましょう!
事例①:年商600万円の学習塾の譲渡
(譲渡の経緯)
・年商600万円の学習塾を個人事業(副業)として経営
・本業が多忙となり、副業としての経営に限界が生じ閉鎖を検討したものの、約50名の生徒に迷惑をかけることから第三者の譲渡を検討しトランビに掲載。
(掲載後の動き)
・掲載後すぐに、法人4社、個人3名、計7件の問い合わせが入り交渉を開始。
・最終的に、副業としての運営を希望していた個人に250万円で譲渡。
・譲渡契約の締結までは、交渉開始から1ヵ月のスピード成約。
個人事業でも第三者への事業承継が可能な時代といえますね!!
事例②:年商5,000万円の印刷会社の譲渡
(譲渡の経緯)
・社員が高齢であったが、後継者がおらず、第三者に事業承継を検討
・仲介会社に依頼を検討したものの、仲介会社が自力で書い手を見つけることができず、トランビに掲載
(掲載後の動き)
・掲載後すぐに、14社の買い手候補から問い合わせが入り交渉を開始
・14社中、同業は1社のみであり、同業種の買い手を探すという従来のM&Aの常識が完全に通用しない結果となった
・複数社と交渉した結果、従来のM&Aでは買い手の候補として上がることはあり得なかった個人への譲渡を決定
・この個人は大手企業でサラリーマンをしていたものの、独立のために退職金で買収したとのこと
インターネットでは個人も有力な買い手であることが分かります!
事例③:年商1億円、債務超過ホテルの譲渡
(譲渡の経緯)
・社長が高齢となり、第三者に事業承継を検討
・メインバンク(地方銀行)に相談し、某仲介会社を紹介されるも「0円なら買い手は見つかるが、手数料2,000万円必要」と実質的に謝絶される
・新聞でトランビのことを知り、案件を掲載
(掲載後の動き)
・掲載したその日に7社、最終的に21社の買い手候補から問い合わせが殺到
・交渉の代理人となる税理士をトランビから紹介
・税理士の精査の結果、経営者貸付による債務超過であったため、DES(デット・エクイティ・スワップ)を実施
・最終的には、名古屋市内の不動産会社が8,000万円で買収
・売主はホテルでの仕込み生活から、近場で家を建て隠居生活へ
事例④:廃業相談から一転、1.2億円で譲渡へ
(譲渡の経緯)
・中古自動車の販売店を長年経営。ご子息に後を引き継ぐ意思がなく後継者不在の状況
・売上が落ちており、赤字に転落していたため悪化する前の廃業を検討し、顧問の税理士に相談したところ、廃業であれば手残りは3,000万円程度になるため、第三者への譲渡を提案される
(掲載後の動き)
・非公開で、トランビユーザーの中から買い手を募集したところ10数社の買い手候補から問い合わせが入り交渉を開始
・最終的に、他地域に拠点を持つ新品の自動車部品を扱う会社に1.2億円で譲渡することで決着
・買い手は、事業エリアの拡大と新品部品に加えて中古部品を取り扱うことで商材拡充を狙えることから買収の決断をしたとのこと。
このように、TRANBI(トランビ)の登場によって中小企業の『第三者への事業承継』、『企業買収』が比較的容易に行うことができるようになりました。
生活になじみのある美容室・飲食店だけでも、250件以上の掲載があります。(30年9月27日現在)
数年前にメルカリが登場して以来、個人間での物の売買が当たり前に行われる時代になりました。
冒頭で述べた通り、企業についても売買が当たり前に行われるようになってくるのは当然の流れだと思います。今後は、社長の高齢化による事業承継もさらに増えてくるでしょう。
資金力のある企業は、「M&Aによって事業を拡大していくという戦略」もありかもしれないですね!
(追記)
以前、「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい」という本がベストセラーになっているのを思い出しました。当時は「そんな簡単に会社は買えないでしょ?」と思っていましたが、どうやらそういう時代でもないようですね。
これから『個人で会社を立ち上げようと思っている方』、『小さな会社を買ってみようと思っている方』にアドバイスをさせて頂くと、企業経営というものは甘いものではありません。
「資金繰りのこと」、「スタッフのこと」、「マーケティングのこと」常に経営のことを考えていかなければなりませんし、大いなる責任が伴います。
経営者は日々絶え間なく考え、行動しています。
ただ、それでも経営というものは何事にも変えられない楽しさがあります。
私の場合は、「大切なお客様と共に成長していけること」、「一緒に仕事をしているパートナーの方たちと、より豊かな環境をつくっていくこと」が何よりも楽しいです。
これから「会社を立ち上げてみたいと思っている方」や、「経営のことで悩んでいる方」は、是非ご連絡下さい。アイディール会計事務所が全力でサポート致します!
アイディール会計事務所 代表 鎌田